黒柳徹子|自伝小説『窓ぎわのトットちゃん』感想

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窓ぎわのトットちゃん感想
こんな風になれたらいいよね

2023年12月にアニメ映画化&42年ぶりの小説の続編も発売された「窓ぎわのトットちゃん」。

私が読むのは実は2度目で、初めは小学生の頃でした。

それから20年以上たち、私自身が親になって再び読んだ感想をシェアします。

物知りさん
物知りさん

トットちゃんは黒柳徹子さんのこと

「窓ぎわのトットちゃん」は黒柳徹子さんの幼少期を基にした自伝小説

発達障害を理解しやすくなる教育書として勧められる本でもある

黒柳徹子さんは自身が発達障害(LD,ADHD)であることを公表しています。

この本の舞台が、黒柳さんの幼少期である1943年頃なのが驚きです。

現在90歳を超えてなお、超パワフル!ですよね。

黒柳さんの今があるのは幼少期にこんなにいい教育を受けられたからなんだろうなと思います。

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「窓ぎわのトットちゃん」大人になってから読んだ感想

窓ぎわのトットちゃんと発達障害

ハンディも性別も年齢も超えた自由な空間と温かい空気感に圧倒されました。

祖母に勧められて、私が初めてこの小説を読んだのは約25年前の小学生の時。

当時は「ふーん、黒柳徹子って変わってたんだなぁ」くらいにしか思っていませんでした。

当時からズバズバと直球で話すマシンガントークが特徴的な元気なお婆ちゃんだなという印象。

やはり小学生なので現実感はもてず……

そしてこれが戦前の話という驚き。

自分が大人になって世の中のことを少し知った分、この自由な世界に憧れます。

こんな先生ばかりなら、いじめや登校拒否もなくなるのかもなと。

なかなか難しく、きれいごとばかりでは無理なことも知っていますが、希望になるお話だと思いましたね。

窓ぎわのトットちゃんを試し読み

「窓ぎわのトットちゃん」は全てノンフィクションで実名

「窓ぎわのトットちゃん」は100%ノンフィクションです。

小学校を退学になるほど活発なトットちゃんを、トモエ学園の小林先生はそのまま受け入れてくれ、トットちゃんがのびのびと成長できる様子が描かれています。

本当にドラマチックな黒柳徹子さんの当時の話も事実なんです。

先生方や友人、初恋の人も全て実名で登場します。

「窓ぎわ」「トットちゃん」の由来

窓の外を見眺める窓際に座る少女

「窓ぎわ」は、学校で何となく感じていた疎外感や、よく窓ぎわでチンドン屋さんを待っていたことに由来します。

また、徹子という名前を舌足らずでうまく発音できず「とっと、とっと」と言っていたことから「トットちゃん」と名付けられたそうです。

このネーミングもそうですが、やることが全て型破りなトットちゃんは長くつ下のピッピみたいだな~と読みながら思いました。

窓ぎわのトットちゃんを試し読み

トットちゃんの傾向はLD,ADHD

好奇心旺盛なトットちゃんは教室でジッと座って授業を受けることができませんでした。

この辺は多動性の傾向(ADHD)なのかなと思います。

机のふたを何度も開けたり閉めたり、急に鳥に話しかけたり、チンドン屋さんを学校に呼んでしまったり。

他、読書障害や計算障害も強かったようです。

授業にならないと先生から言われてしまい、遂には1年生の途中で公立小学校を退学させられてしまいます。

もし、自分が担任教師だったら確かにイライラしたり、怒ったりしてしまうかもしれないと思います。

当時はもちろん、発達障害の概念は無く、単なる変わった子や問題児と扱われたようです。

トモエ学園はトットちゃんを全て肯定してくれた

森の中での野外授業スタイル

トットちゃんは、お母さんが見つけてきた「トモエ学園」という私立の小学校に転校します。

リトミック教育を主軸にした50人ほどの小規模学校で、敷地内に置いた電車の中が教室という風変わりな学校でした(発想がスゴイ!すごく楽しそう)

自分が大人になって読み返すと、この時代からリトミックが日本の学校にあったことも驚きました。

私は自分が親になって初めてリトミックというものを知り、近年のものかと勝手に思っていました。

リトミックとは、スイスで考案された音楽教育法。

音楽に合わせ体を揺らしたり、リズムを感覚を高める運動などを行う。音楽を愛する心や表現力を育む、世界中で広く取り入れられている。

校長先生の面接を受けたトットちゃん。

校長先生に「話したいことがあるかい」と言われ、「はい!」と約4時間!!!ひたすら喋り続けます。

小林宗作校長は、トットちゃんが喋ることがなくなるまで、じっと優しく聞き続けてくれました。

「あとにも先にもトットちゃんの話を、こんなにちゃんと聞いてくれた大人はいなかった。」

「窓ぎわのトットちゃん」より引用
物知りさん
物知りさん

一度話し出したら止まらないのも発達障害の特徴のひとつ

です

トットちゃんをそのままで受け入れてくれる場所は黒柳徹子さんにとってどんなに助けになったか分かりません。

「君は本当はいい子なんだよ」
黒柳徹子さんが大人になっても支えてくれている言葉だそうです。

小林先生から何度もこの言葉を投げかけてもらって心から感謝していることが文章の端々からよく伝わってきました。

小学校退学や、変わった子として見られてきたトットちゃん。

黒柳徹子さんは、あとがきで「小林先生に出会っていなければ、自分は悪い子だというレッテルを貼られて、コンプレックスを抱えたまま大人になっていたかもしれない」と語っています。

トットちゃんのトモエ学園での様子はぶっ飛びエピソードの連続

葉っぱを並べて考える

そして、トットちゃんのぶっ飛んだエピソードの数々が並べられています!(笑)

ぷっと噴き出してしまいそうになったり、なるほどそんな風に考えるのかと感心しきりです!

本当に面白いので是非読んでいただきたいです。

例えば、将来の夢はスパイということを頭のいい男の子話したら、

「女のスパイは顔がキレイじゃないとだめだ、おしゃべりでもだめだ」と言われ、非常に納得し、その子の賢さに驚いたという話など。

あっさり納得するんか!と思ってしまいましたが、その純粋さが小さい女の子らしさがあって微笑ましいなとも。

中でも私のお気に入りは、トットちゃんと泰明ちゃんの話。

学校の敷地内には子どもひとり一人に専用の登るための木があるそう(!)で、小児麻痺のある泰明ちゃんを自分の木に招いて冒険をした話です。

この時、泰明ちゃんからテレビジョンというものがあることを初めて聞いたとのこと。

そう、テレビがないのですよねこの時代。

黒柳徹子さんは日本史上初のテレビ出演者の一人です。

当時、テレビは一般的ではありません。

そのような時代から今まで生きて活躍されているなんてとんでもなくすごいことだなと思ってしまいます。

同じ学年の人数は10人程度で、毎日自分の好きな教科を自習スタイルで行います。

時間割はなし!

分からないところは先生に聞きに行き、早く終われば自由だったそう!

よく皆で学校の外に散歩に行って、自然に触れ、それも学びの一部になっていたそうです。

身体に障害を持った子も皆同じように過ごします。

トモエ学園では障害を持った子が1等を取れる競技の工夫をした運動会などあり、多様性を大切にする小林先生の児童や先生への接し方が本当に素敵です。

軍国教育の当時でこのような考え方をする人がいたのか、と。

大人になった今読むと只々すごいと感じ入ってしまいます。

『窓ぎわのトットちゃん』感想まとめ

発達障害は生まれ持った脳の特性です。

当事者でない私が偉そうなことは言えませんが、黒柳徹子さんの現在までの活躍と功績をみると、本当に個性なんだなと感じます。

発達障害=悪いもの、克服しなくてはならないもの、ではなくて発達障害=個性、前向きに受け入れるものとして捉えるとお互い楽になるかもしれない。

程度にもよると思いますし、難しい問題かと思いますが、肩の力を抜いて個性と向き合えたら楽になるかもしれないと思います。

私の考えをダラダラと述べましたが、少しでも誰かの気持ちが明るくなれば嬉しいです。

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